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なぜか事前に作られていた紙のクジを、まるで青いネコ型ロボットが秘密道具を披露するがごとく生徒に見せた。
そして、なぜか沸くクラス。こういうノリについていけないのが、俺のダメなところなんだと中学時代の友達に言われたことがあるが、その言葉は確かに的を射ている。
しかし、どうしても周りのようにテンションを上げることはできないし、上げようとも思わない。
上げたところで、そんなのただのエネルギーの無駄遣いにしかならない。
そんな感じで教室内の盛り上がり空気に置いてけぼりにされながら、俺は回ってきたクジを適当に一枚引いた。
隣が誰だっていい。そんなことにこだわりは特にない。
だから、だ。神様。
窓際一番後ろの席をお願いしたい。いや、お願いする。
普段あんたを頼るような面倒な奴ではない俺の、ほんのささやかな願いを聞いてくれ。
つか、聞け。
言っておく。俺たち平凡な人間は、あなた方を無条件に様付けしているんだ。
「それじゃ席を発表すんぞー」
初対面の時よりも、テンション二割増しの担任がクラス内に声を響かせる。
「……俺の席は」
立ち上がり、誰にも聞かれないように呟いてから、俺は自分の席を探した。
発表方法は簡単なもので、席の数字を書いた紙を黒板に張り出す形だ。
騒ぐ人混みの後ろから、何とか自分の席を探す。
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