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「五月蝿いっ!黙りなさいっ!それに何なのっ?!王女に向かって“俺”などとっ!」
はい、八つ当たりです。
「そんなこと申しましたか?私としたことが申し訳ありません。」
「っ......!以後、気を付けなさいっ」
あっさりと謝られてしまえば、それ以上咎めることはできません。
怒りの矛先を完全に失ってしまいました。
お姫様は咳払いすると、話題を自分の疑問に切り替えました。
「ところで、何故私が女王の所にいるとわかったの?...見つからないように抜け出したのに...」
どうやら開き直る事にしたようです。
最後の方は決まりが悪いせいか消えかかっていましたが。
「ご自分と私の身分をお忘れですか?」
男からの質問返しに戸惑いながらも、お姫様は素直でした。
「王女と、その専属第一騎士.....」
「聡明な王女ともなれば、もうおわかりでしょう。」
「.....はい.......。」
男はお姫様に付く騎士‐ナイト‐だったようです。
しかも、“第一”。
責任者です。
「王女が行方不明となれば私に連絡が来るのは当たり前です」
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