・第1章・

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「五月蝿いっ!黙りなさいっ!それに何なのっ?!王女に向かって“俺”などとっ!」 はい、八つ当たりです。 「そんなこと申しましたか?私としたことが申し訳ありません。」 「っ......!以後、気を付けなさいっ」 あっさりと謝られてしまえば、それ以上咎めることはできません。 怒りの矛先を完全に失ってしまいました。 お姫様は咳払いすると、話題を自分の疑問に切り替えました。 「ところで、何故私が女王の所にいるとわかったの?...見つからないように抜け出したのに...」 どうやら開き直る事にしたようです。 最後の方は決まりが悪いせいか消えかかっていましたが。 「ご自分と私の身分をお忘れですか?」 男からの質問返しに戸惑いながらも、お姫様は素直でした。 「王女と、その専属第一騎士.....」 「聡明な王女ともなれば、もうおわかりでしょう。」 「.....はい.......。」 男はお姫様に付く騎士‐ナイト‐だったようです。 しかも、“第一”。 責任者です。 「王女が行方不明となれば私に連絡が来るのは当たり前です」
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