・第1章・

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ところかわって、玉座の間。 壇上に設えられた玉座の側。 女王は入り口を背に玉座を見下ろしています。 タイトな黒いドレスから覗くほっそりとした腕は白く、儚くも感じられます。 豪奢な装飾の施された、ずっしりと貫禄を漂わせる玉座を見つめる女王の漆黒の瞳からは、何の感情も、生気も、感じられません。 何を考えているのか、何を感じているのか。 はたまた、何も考えていないのか感じてもいないのか。 女王を見ていて理解出来る者はいるのでしょうか。 ふと、何も湛えることもない瞳が閉じられました。 その後ろで刃が妖しく光る。 女王は俯いて閉じた瞳を開き、流れるように後ろを振り返りました。 「.....覚悟ぉぉぉおおっ!」 黒いローブが宙に舞いました。 黒いローブを身に纏った者の剣が振り下ろされ、女王の首を狙い、襲い掛かります。 獲物を狩る獣のように。 殺気を纏った剣は流れるように動き、風を作る。 玉座の間の空気が動く。 「...っ!」 侵入者の歯ぎしりの音を最後に、玉座の間に再び静寂が訪れました。 女王の目は黒いローブの侵入者の目を捕らえていました。 空気は止まり、緊張が走る。 「また、あなたなの?」 刃は女王の首に触れるか触れないかのところで止まっています。 女王は無傷でした。 女王は、相手のフードに手をかけました。 パサリとフードは後ろに流れ、中に隠してあったウェーブのかかった長い金の髪が現れました。
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