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「まったく、またこんな野蛮なことをして。あなたには王女としての自覚がないの?」
そう、女王を襲ったのはお姫様だったのです。
「自覚ならあるわ。あるからこそ、あなたを倒しに来たんじゃない。苦しんでいる民のために。」
「もっと方法があるはずなんだけどねぇ。」
そう言いながら女王は玉座のそばにあるサイドテーブルの呼び鈴を鳴らしました。
すると、すぐに甲冑を身に纏った兵が二人、玉座の間に入って来て、お姫様の腕を片方づつ掴み動きを封じました。
「離しなさい....っ!」
お姫様は暴れますが、腕を掴んでいるのは逞しい大人の男二人です。
身動きをとれるはずなどありません。
それでも、お姫様は必死で抵抗しました。
「いつまで暴れるつもりなの?見苦しいわよ?」
「煩いっ」
「女王に対してなんたる無礼!」
お姫様の右側の兵はそう叫ぶと、お姫様の腕を掴む力を強めました。
「痛.....っ!」
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