act01

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車を走らせる。まだ9時だし、と彼女もドライブに誘うと嬉しそうに誘いに乗ってくれた。 「外、珍しい?」 窓の外を楽しそうに眺める彼女に聞いてみた。 「はい!あまり夜とか出掛けないし、車に乗るのも久しぶりです!」 「そっか、なら良かった」 ここはどこだとか、あれはなんだとか。 興味津々に聞いてくる彼女は小さな子供の様だ。 「そういえばさ、倖ちゃんは彼氏とかいないの?」 「いませんねぇ…前に彼氏にフラれてからいないです」 「フラれたんだ。勿体無い」 「…?勿体無い?」 「うん。倖ちゃんみたいに可愛くて面白い子、フるなんて勿体無い」 さらりと、自分でもクサい台詞を言ったなと思う。だが本心だ。 「ふふっオーナーさんみたいに素敵な人に言われると照れます」 「そう?ありがとう」 ライトが横を次々に通り過ぎていく。なんとなく高速に乗ってみた。 「ホテルとかって入ったこと、あるよね」 「ホテル?ビジネスとかですか?」 一瞬、時が止まったかと思った。 「…え、まさかさ、まさかだとは思うけど、ラブホ、入ったこと、ない…の?」 「ラ…ラブ、ホテル…ですか…っ」 顔を真っ赤にしている様子をみると、ガチの様だ。まじかよ、はいったことないとか、そんなことあるのかよ… 「…じゃあさ、流れの説明も兼ねて、入ってみる?なんもしないから」 「…………。」 彼女は押し黙っている。 当たり前か。さっき会ったばかりの男とラブホなんて怖いよな。 「わかりました、入ります」 「、え」
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