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車を走らせる。まだ9時だし、と彼女もドライブに誘うと嬉しそうに誘いに乗ってくれた。
「外、珍しい?」
窓の外を楽しそうに眺める彼女に聞いてみた。
「はい!あまり夜とか出掛けないし、車に乗るのも久しぶりです!」
「そっか、なら良かった」
ここはどこだとか、あれはなんだとか。
興味津々に聞いてくる彼女は小さな子供の様だ。
「そういえばさ、倖ちゃんは彼氏とかいないの?」
「いませんねぇ…前に彼氏にフラれてからいないです」
「フラれたんだ。勿体無い」
「…?勿体無い?」
「うん。倖ちゃんみたいに可愛くて面白い子、フるなんて勿体無い」
さらりと、自分でもクサい台詞を言ったなと思う。だが本心だ。
「ふふっオーナーさんみたいに素敵な人に言われると照れます」
「そう?ありがとう」
ライトが横を次々に通り過ぎていく。なんとなく高速に乗ってみた。
「ホテルとかって入ったこと、あるよね」
「ホテル?ビジネスとかですか?」
一瞬、時が止まったかと思った。
「…え、まさかさ、まさかだとは思うけど、ラブホ、入ったこと、ない…の?」
「ラ…ラブ、ホテル…ですか…っ」
顔を真っ赤にしている様子をみると、ガチの様だ。まじかよ、はいったことないとか、そんなことあるのかよ…
「…じゃあさ、流れの説明も兼ねて、入ってみる?なんもしないから」
「…………。」
彼女は押し黙っている。
当たり前か。さっき会ったばかりの男とラブホなんて怖いよな。
「わかりました、入ります」
「、え」
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