act01

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「ふわー…広っ!」 「そりゃ、ラブホですから」 彼女は部屋に放された犬みたいにはしゃいでいる。なんというか、連れてきてよかったと思える。 ベッドに転がったり設備に感動したり。 「お風呂すごーい…こんな広くてどうするんですかね」 「風呂でヤるんじゃない?」 「…っ、そ、そうですよね…!」 デリ嬢としての流れを説明しながら部屋を案内する。こんなことは初めてだ。他の子達はラブホの構造を知ってるから、口頭で説明するだけで済む。 「…とまぁ、こんなかんじかな…って、聞いてる?」 「テレビおっきーです!」 「付けてみたら?」 リモコンの電源ボタンを押すと、その大きな画面に写ったのはAV 彼女は座ったまま硬直している。 「いい機会だし、勉強しなよ」 「べんきょうって…!こんなの見てらんないですよ!!」 「そう?講習とかもあるし。まぁ俺達相手じゃなくてそういう業者だけどね。やり方わかんなかったら言ってよ。業者に頼むから」 「は…はひ…」 顔を真っ赤にして慌てる彼女はすごく可愛い。 最近のスレた女にはない純朴さ。これは売りになる。 「名前、どうする?」 「なまえですか…」 「本名は出来ないしね、なんか付けたい名前とかある?」 「うーー…ん…」 「ニナ、とか」 「ニナ?いいけど」 「前に飼ってた猫の名前なんです」 「じゃあニナね。ニナちゃん。よろしくね」 「はい!よろしくです!」 出勤日は明日。初日。 彼女はどこまでいけるのか、 そして 彼女はこのままでいれるのか。 とても興味が湧いた。
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