その日の夜

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「ありがとう…」 真っ直ぐに俺の瞳をみて、言ってくる。 「どう致しまして!」 にっと満足げに笑う。 「呼び止めて悪かったな、ちゃんと温まれよ?」 ポンと氷浦の頭に手を置いて、それから脱衣所をでて扉を閉めた。 「……………?」 ポカンと扉を見る氷浦。 それを知る由もない良守。 (…あーーー、つまんねえ) そう、思う影宮であった。 そう、影宮は二人に気付かれないように遠くから盗聴していたのだ。 (…………これって、二人とも無自覚か?)
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