その日の夜

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「はー、ここが頭領の部屋かぁ」 ひょこっと正守の部屋を覗く影宮。 「あ、バカ!変なことするなよ!?兄貴にどやされるぞ」 「するかバカ!!」 スターンと襖を閉める。 「部屋、ここな」 空いている和室を指す。 「タンスとか勝手に使っていいからな」 「おう、わかった」 「ありがとー!」 「………」 …喋れ、氷浦。 ちょいちょいと秋津を手招く。 「ん?なになにー?」 「あのさ、氷浦夜行でちゃんとやってんの?」 コソッと話し掛ける。 影宮がこっちをガン見してて、氷浦が早速寝ようとしてるけど。 取り敢えず全部無視。 「ああ!氷浦くんね。うん、あんまり笑わないけどキチンと仕事はこなしてるよ!」 コソッと教えてくれた。 「…サンキュ」 やっぱ、笑わないのか。 つか、いい加減こっち見んな、影宮。 「てか、お前ら結構自由だな!?」 「「「?」」」 「そこだけハモんなよ!!」 秋津は三人分の荷物を出して、影宮は部屋を調べて、氷浦は勝手に布団を出して寝ようとしている。 「秋津はいいとして、影宮は部屋を荒らすな。そんで氷浦はなに寝ようとしてんだ。これから晩ご飯だろーが!」 父さんが泣くぞ!と訴えてみる。 「あ、僕はいいんだ?」 「荒らしてなんかねーよ!」 「…ばん、ごはん?」 ああ、三人バラバラの反応。
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