その日の夜

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「へ?まじで?」 コクリと頷く氷浦。 「…あーー、なら仕方ないか…?」 仕方なさそうに呟く。 「…つかお前、風呂は?」 家に来てからすぐご飯だったから、風呂には入っていないはずだ。 「…まだ、です」 「入れよ……(汗)」 面倒くさがりな良守だって毎日はいっている。 「少し…寝てから」 「ダメ、お前そのまま寝るから」 それに寝起きがすこぶる悪い。 「…わかった」 ムクリと起き上がって、下の階に行こうとする氷浦。 「あ」 「ん?」 いきなり襖の前で立ち止まった。 「そういえば、お風呂の…溜かた、知らない……」 くるりと頭だけ振り返る氷浦。 「あ、そっか。じゃあ俺もいってやるよ」 そのまま氷浦と下の階の風呂場までいった。 良守は脱衣場の風呂場のドアの隣にある風呂の湯を操作するパネルを操作する。 「…メカ?」 「ん?…ああ、そう、メカ」 風呂場のドアを開けると、温かいお湯が溜まっていくところだった。 「こうやって風呂ためんだ」 「わか…った」 コイツ、コミュニケーションはあんまりだが、理解は早い。 もっと色々考えて生活をすればいいのに。 たまにそう思う。
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