プロローグ

2/2
前へ
/43ページ
次へ
ーかみさま、かみさま、居ますか? 子供の声が聞こえる。 夕暮れ時で、夕日が顔を出している。 ーかみさま、かみさま、居ますか? また別の子供の声が聞こえる。 今度は女の子の声だった。 赤く染まった神社の端。 そこに三人の子供がいた。 何かの遊びなのか、 かみさま、かみさま、居ますか?と繰り返している。 そしてさっきから一言も喋らなかった黒髪の男の子が口を開いた。 「…えーと、かみさまは君?」 そう言って女の子に指を向けた。 男の子の少し不安そうな顔とは、対照的に勝ち誇った顔で口を開く。 「本当にいいのかなぁ?」 その台詞を聞いて、不安そうな顔は更に色を濃くしていく。 だけど… 「あ、もう帰らないと怒られるよー」 と、もう一人の男の子が声を出した。 仕方ないねと女の子は少し残念そうに声を出して、 「ここからが面白い所なのになぁ。じゃ明日はこの続きって事で!」 そう二人に伝えた。 だけどそれは… 叶わなかった。 その翌日はー
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加