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「意味が分かるんだ?」
谷さんに言われて頷いた。
「レイさんの強制下ネタ講座を受けてるから分かるようになった。
全然嬉しくないんだけど、断ると嫌がらせされるから」
私が言うとみんなが納得したらしい。
「変な事教え込むなって言ったのにさ・・・」
先生がぼやく。
「たぶん下ネタが無いと死んじゃうのかも。
それか、レイさんが下ネタで出来てるのかも」
思っている事を正直に言うと笑われる。
特に谷さんが笑っていて、ツボに入ったのだろう。
先生に笑いすぎだってツッコまれるくらいの大笑い。
「下ネタからできてるって・・・」
そう言ってお腹を抱える谷さんは涙目だ。
そこまで笑われるとはレイさんが可哀想な気もするが放置させてもらう。
そして一言だけ言わせてもらった。
「寝たい」
しかしまだ話は終わっていなかった。
先生と谷さんの話しを聞いていなかったんだ。
「もういいよ・・・」
そう言っても許してもらえずに、そこから話を聞く事になった。
先輩はご飯を食べ、くりちゃんはお風呂に入っていた気がする。
途中から全く覚えていない事件が起こった。
目を開けると事務所の自分の部屋で寝ていて、頭がボーっとしたまま数回の瞬きをした時に声が聞こえてくる。
「ゆめちゃん!!」
その声は聞こえないはずの声で幻聴かと思った。
「夢叶!?」
次に先生の声がして目の前に先生の顔が現れる。
「大丈夫なのか?」
心配そうな顔の先生と、隣に居ないはずのさっきの声の主が見えた。
幻聴じゃなかったらしい。
「優輝ちゃん?」
目に涙をいっっぱい溜めた優輝ちゃんが居て驚いたのは言うまでもない。
なんでここに居て泣いてるのかも疑問で起き上がろうとして気付く。
起き上がれない。
体が重くて動けないって事に。
昨日、話しの途中で動かなくなったまま目を覚まさなかったんだって。
テーブルに肘を付き、頭を抱えるようにしてフリーズしてしまったようだ。
全く反応が無いままここに運ばれて寝かされてたらしい。
しかも今の時刻は夜の8時。
一日近く寝ていたんだって。
そりゃ誰でも心配するよ。
優輝ちゃんの涙の理由は私だったんだ。
いくら起こしても起きないし、もう起きないかと思ったって泣き出したから困る。
どうしよう・・・。
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