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はて、ピンクとはいったいなんのことかと辺りを見回し、彼の指が制服のスカートを示していることに気づく。
「――っ! みっ、見たの!?」
「ああ。しっかり拝ませてもらったぜ、ピ・ン・ク」
瞬矢は凭れかかったソファから茜を見下ろし、意地悪くへらりと笑う。
茜はスカートの裾を両手で押さえると羞恥に唇を尖らせ頬を赤く染め、涙目でむっと睨みつける。
『嫌な奴』――恐らくそれが、彼女の瞬矢に対する改めて抱いた印象だったに違いない。
かくして始められた父親捜し。だが、その片隅で見えない何かが動き始めていた。
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