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木々のざわめきも、鳥たちのさえずりも、動物達の姿もありません。そんな不思議な景色をながめながら歩いていると、耳なしウサギは不思議そうに首を傾げました。
いつの間にか、見覚えのない場所に迷い込んでしまったようですね。どうやら、耳なしウサギは迷子になってしまったようです。
それはとても静かな場所でした。まるで時が止まっているみたいです。それでも、耳なしウサギは胸がドキドキしていました。ドキドキ?
なぜなら、誰かに呼ばれているような気がしたからです。
いつもは何も感じない耳なしウサギでしたが、今は不安な気持ちでいっぱい。
早く引き返そう、そう思った直後でした。ピカーッ! と耳なしウサギの目の前が光に包まれたのです。
気がつくと、目の前には見た事もない景色が広がっていました。いつもと少し違う森。何が違うと言えば判らないのですが、どこかが違うのでしょう。
耳なしウサギは突然の出来事に驚き、寝そべっていた身体を起こします。やはり、どんなに見渡しても見覚えがありませんでした。
それでも帰らなければいけない、そう思った耳なしウサギは諦めずに、帰る道を、見覚えのある道を探しました。
にゃっはっはっ。
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