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人は誰しも死んだら輪廻を廻る。
罪人でも善人でもそれは誰にでも等しく、平等だ。
さて、俺は別に罪を犯したわけでも、誰かを助けて死んだ訳でもない。
それこそ主人公達のように『神様の失敗』で死んだ訳でもない。
俺はただ普通に寿命で死んだ。
25歳だったが病気になればそれはもう仕方ないと諦めた。
恋人が居たわけでも、両親が居たわけでもない。
そもそも親族が俺には居なかった。
だから悲しむ人など居なかったのだ。
俺にとって生とはただ生きることのみだった。
息をして、食事をして、仕事をしていただけだった。
死んでしまった事を自覚してもなんとも思わなかった。
そして俺はやっと輪廻の輪から抜け出せる。
転生の順番が来たのだ。
目覚めた時、俺に自我は無いだろう。
だから今度の人生は楽しく過ごせるように俺は願う。
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