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※
「どういう事なんだ……」
松田は茶木の言葉を反芻して、必死にその意味を思考していた。
自分の過去を知った以上、決して逃げていいことじゃなかったからだ。
「昔一体何があったんだろう」
少しでも手掛かりを得るために社内の本屋へと足を運んでいると、オナモンの姿を発見する。
ただでさえボコボコで凹凸だらけの未開発地帯のような顔が、一層ボコボコになっていた。
「気持ち悪いな」
「まじきみゃあ」
しんやと尾出がその姿を冷静に、馬鹿にするように見ていた。
「的にしてやるし!!」
尾出は勝手に持ち出した銃をオナモンに向ける。
「ほこぢとか詰まってないかみで」
「埃が詰まってるわけないだろ! 馬鹿だな! ふぉっふぉっふぉ! まあ見てあげよう、どれどれ」
しんやが銃口を覗き込んだ。
ZUKYUUUUUUUUUUNN!!
「わああああああああああああ!!」
しんやの首へ銃弾がぶちこまれた。
「いーひひひひひひ! さっきのおかえしだし!!」
その光景を松田はスルーしてオナモンに視線を遣る。
ただオナモンは歩いていただけだったが、その時突然!
「KYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
すれ違いざまに社員の一人が奇声を発したのだ!
オナモンはびびって何も言えず早足になる。
しかしすれ違う人はみんな奇声をあげる!
「KYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
「KYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
「KYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
きっとオナモンは高校の時からこんな仕打ちを受けていたのだろう。
松田は図書館へと向かっていった。
オナモンは泣いた。
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