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帰り道、考えた。
…本当にドラマのセリフだったのかな。
あれは柏原自身が感じていた思いなんじゃないのかなって。
『裏切りや妬み、恨みや憎しみ』
過去に1度、傷つくような思いをしたとか。
でもこんなに真剣に柏原のために考えてるけど本当にただドラマのセリフだったら、わたしがいま考えてるのは無駄じゃない?
ってゆーか柏原のため…。
大切な友達だからだよね。
たった1人の男友達で、たった1人のクラスにいる友達だから。
「ただいま」
「おかえりなさい」
「あれ、おばあちゃんだけ?」
「そうなんよ。
お母さんとお父さん、出かけててね」
「じゃあもう少し早く帰って来ればよかった」
「いいわぁ、気にしなくて!
せっかくお友達ができたんだから」
「へへ」
わたしは幼い頃からおばあちゃんっ子だった。
おじいちゃんが亡くなってわたしが物心ついた頃から、おばあちゃんは一緒に暮らしていた。
いまも昔もおばあちゃんが大好きなのだ。
部屋に入って、すぐにベッドに寝ころんだ。
あれから三門先輩とは話していない。
わたしは恥ずかしくて話しなんかできないし。
だけど…。
三門先輩のあの、爽やかでふわふわしてて白馬の王子様みたいなカンジは誰も真似できない。
…柏原も?
月9に出演できるくらい注目されてる若手俳優なのに、あんな冷たいヤツだってみんなが知ったら大変ね。
ファンの子のたちは柏原のこと、三門先輩みたいな白馬の王子様だと思ってるんだから。
テレビだけじゃなくて日常生活からかっこよくキメてくれないと困るよ。
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