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ー休み時間ー
今日もまた、三門先輩のところへ行く。
だけどチャイムが鳴った途端、三門先輩のとこに行く道を隔てられるくらいの人集りができていた。
「きゃー!本物の竜くんだよー」
「生で見るほうがかっこいい!」
なにかと思ったら、その正体はほとんどが柏原目当てだったのだ。
「いつも応援してますっ」
「ありがとう」
「恋人失格、楽しみにしてますね」
「はは、ありがとう」
…なにあの笑顔。
友達のわたしにはあんな顔したことないし。
ーームカつく。
「蒼花のクラス、人集りヤバくない?」
「みんな柏原目当てだよ」
「あら、やきもちだね」
「ぜーんぜん」
それにしても今日も三門先輩、かっこいい。
よく毎日、知らない女の子を受け入れてあげられるなーって思う。
きっと三門先輩の優しさだろうな。
「三門先輩っ、2年C組の前の人集りは嫌ですよね。
うるさいですし」
「転校生の柏原竜くんだよね。
いいんじゃないかな、かっこいいし」
「三門先輩っ…優しいですっ」
「はは」
いつも三門先輩の隣を独占しているあの子。
ーー宮桜百恵
学年代表のお嬢様で美少女。
だけど、柏原が一緒に仕事をしている女優のあの人。
ーー伊達こだま
こだまちゃんには適わない。
こだまちゃんはわたしと同じ高校2年生で子役からキャリアを積んできたベテラン女優だ。
演技もルックスも抜群のこだまちゃんを柏原はどう思ってるのだろうか。
今日の帰り、聞いてみることにした。
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