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――――――一撃。
それもたったの一振り。
あんなにエア・シャフトで攻撃をしたのにも関わらず怯む事すらしなかった。
あの化け物みたいな悪霊を何の術式も発動無しで浄化した……
希は驚きを隠せぬまま痛む身体を起こして、大鎌片手に此方に背を向けている少女を見つめた。
少女は完全に消えた女生徒の霊を確認してから、くるりとマントの中のプリーツスカートを翻して希の方に向き直した。
滑らかな黒髪のボブカット、前髪から覗かせる端正な線の細い顔立ち。
その顔付きは凛としていた。
………………は。
あろうことにも俺は少女に見惚れていた。
白雪の美しく透き通った柔肌。小動物を連想させるような童顔。
………うわっうわっ!
なに初対面の女の子の顔をなにじろじろ見てるんだ俺は!
頭をふるふる振って煩悩退散。
本題。
それは彼女が一体全体何者なのか?
普通の子ならまずこんな時間にこんな所にはいないだろう。
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