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……身体中が痛い。
瞬間移動なんて反則だろッ。
「プッ!」
口内で唾液に混じった血を吐き捨てる。
「明日掃除しに来る事務員さんが驚くぞ、これ」
辺りに散乱した机や椅子を見渡してから、扉があった場所を睨み付けた。
古ぼけたセーラー服の霊。
それがそこでゆらゆらと揺れて立っている。
意地でも生きて帰さないつもりか。
「はぁ、やっぱ引き受けるんじゃなかった」
聞こえたか親友よ。Lチキ二つじゃ全然割に合わないよ。
希はゆっくりと机と椅子の山から教室の後ろ側の空いたスペースへ。
女生徒の霊も希が動くのに合わせて教室内に入ってくる。
互いに静かに睨み合い、戦闘再開。
『ギィィィィィィヒィッヒィィィ!!』
目にも止まらぬ速さで駆け寄って来てはカッターナイフを縦横無尽に振りまくる。
太刀筋なんて存在しない、標的を如何に無惨に殺傷出来るか。
希もファイティングポーズを構えながらカッターナイフの軌道からギリギリで躱していく。
と言うよりギリギリついていけている状態だ。
現に希の制服の所々にカッターで切られた穴やほつれがある。
耳を削ぎ落とす一閃を左側に避けて床に転がる。
瞬時に体勢を立て直して、女生徒の霊のふくらはぎ辺りに足払いを決める―――――が。
「固ッ!?」
倒すどころが自分の脚が痺れて悲鳴を上げる。
まるでコンクリートを蹴っているみ―――――
ドゴォッ。
「――――――ァッ」
女生徒の霊の右足が希の腹部にめり込んだ。
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