43人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
確か俺は、女生徒の霊を浄化しに深夜の校舎に…
だけど浄化どころか殺されかけて……
そうだ!それで漆黒のマントを着てた少女に救われて――――
その時に俺は重傷をおった……筈なのに。
「折れてない」
と言うか傷一つ見当たらない。
何でだ?
「希?どうかしたの?」
端から見たら奇抜な一連の動作を頭上で【?】マークを旋回させていた未來が痺れを切らして聞いてくる。
しかしその声も今の俺には聞こえていない。
兎に角頭の中が混乱していた。
部屋の中央に置かれている白い円型テーブルにはエア・シャフトが入ったホルスターが律儀にも置いてある。
俺の記憶が正しければエア・シャフトは先の戦闘で三階に落としていた。
……あの後何がどう事が進んで俺は自宅に戻って寝てるんだ?
駄目だ皆目見当がつかない。
ただ、あの時、死ぬ事すら覚悟した俺の元に現れた彼女だけは鮮明に覚えていた。
気になる事はあまたとある、だがこれ以上こうしていても未來に要らぬ心配を掛けるだけだろう。
俺は黙って首を振って、大したことじゃないって、と言った。
「もうすぐで朝食出来るからね」
未來はそう言い残して早々と下へ降りていった。
俺はそれをいつもの通り、早く着替えて降りてきてね、と捉えてそそくさと着替えを始める。
最初のコメントを投稿しよう!