第2話:真条彩音

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俺がまだ物心つく前に父親が事故で死んでからはずっと母子家庭で、母親一人で育てられた。 生活はあまり苦しく無かったが母親が医者という職業柄、殆ど家にも居る事が出来ず、毎日と言って良い程隣の和泉家にお世話になっていたのだ。 そういう観点からすれば母子家庭と言うのも少し語彙に差異を感じるのだがそれはしょうがない。 中学も二年生になってからはなるべく迷惑は掛けられないと思って生活主軸を我が家に戻してたんだけども。 それからも何かと身の回りの家事を手助けしてもらっているわけだ。 俺はそのことすら遠慮をしていたのだが、三食コンビニ弁当orカップラーメンてのがばれて以来、未來が頻繁に食事を作りに来てくれている。 まぁ、それ自体は未來の作る料理が美味しいので嬉しいのだが、いつかは美怜さん(未來の母)を含めお礼はしないとと心に思っている。 以上挙げた理由から既に推測してくれているだろうから、未來の保護者兼というのも理解してくれたであろう。 「それでどうだったの除霊?上手くいったの?」 目を細めながら未來は言う。
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