43人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?どしたの?そんな剣幕浮かべて?」
いつも浮かべている笑みを崩さぬまま悠。
そのまま目を細めて悠を睨んでいると、漸く思い出したかのように手を叩いた。
「希、除霊お疲れ!」
「殴ってやろうか?」
「冗談!冗談!暴力は反対だよ!」
ふぅ。俺は息をついた。
相変わらず口が減らないやつだ。
「で、どうだった?除霊は成功したのかい?」
その問いに俺は肩をすくめて「取り敢えずな」と答えた。
「どうしてそんな曖昧表現?」
悠は眉根を寄せた。そりゃそうだろうな。
本日二度目の説明。こっちは手短にだ。
隣を歩く未來は何故か上機嫌にスキップをしていた。
ショートホームルーム後。
俺の机に未來と悠が拠っている。
「希にも倒せない霊がいるとは……」
実に驚きだと言わんばかりに首を振る悠。
「そりゃいるだろよ。お陰で死にそうになったわ」
皮肉を含めて言った。
しかしそれは届かなかったらしく、何かを考えるように頷いている。
こいつめ………。
「それに希が助けられたっていう子は未來の言う通り真条彩音さんで間違いないよ」
「でしょっ?」
未來は、ほら有名っ!と胸を反らした。
それはスルーして。
最初のコメントを投稿しよう!