第2話:真条彩音

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俺はコーヒーの缶を強く握り締めた。 それは俺の動揺の裏に潜めていた感情の表れなのかもしれない。 聞きたい事は山ほどあるんだ。 昨晩、あの霊を浄化したあの漆黒の大鎌は見たところ見当たらない。 未來や悠、高梨さんの話によれば真条彩音は優等生。なら、国が定めている法律を破る訳がない。 じゃあ?普段は隠しているって事か? ダメだ分からん。 俺が考え事に没頭して苦い顔をしていたのか、真条は少し不安げな表情を浮かべた。 「どうかしましたか?」 「え?いやっ……」 ヤバイ、言葉が出てこないぞ! 何でこう俺はガチガチに緊張してんだよっ? 「そうですか?何か苦い顔をしてたので」 「大丈夫っ……ちょっと緊張してるだけだからっ」 一度深呼吸だ……落ち着け俺。 兎に角大丈夫、何でもないってアピールをすると彼女はまた笑顔を浮かべた。 冷静に、冷静に………。 「ところで俺に何か用かな?」 「あ、はい。話したい事がありましたが…………」 …………昨夜の事か? 真条は壁に掛かっているアナログ時計を横目で見てから続けた。 「…時間があまり無いので再度にしようかなと」 「時間?」 俺がそう聞き返すと同時にチャイムが鳴り響いた。 ……………は!?
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