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時計を見てみると時刻13時10分。
今のチャイムは昼休みの終わりを告げるものである。
べ、弁当……が………
落胆している俺とは打って変わって真条は微笑みを浮かべたまま、俺にもう一歩近寄った。
「高山君、これを」
そう言って何かメモのような紙切れを手渡してきた。
「……えっとこれは?」
「放課後にその紙に書いてある場所に来てもらえない?話の続きはそこで」
俺がメモを受け取ると、真条はくるっとスカートを翻して軽やかな足取りで自販機コーナーから出ていく。
「ちょっ……!」
俺はその真条の後ろ姿を茫然と見送った。
5時限目には遅れてしまった事は言う迄も無いだろう。
真条彩音―――――。
俺から彼女へ対する第一印象は…………そう、不思議な子。
ただそれだけだった。
⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒続く
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