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こいつの名は、岸本 悠。
小学生時代からの幼なじみで、その縁も中学で終わりかと思いきやまさかの同じ高校。
悠は成績も良く、いやかなり良く。
当時担任だった教諭から進学の際にここら辺でも有名な偏差値65の【昂星高校】に行かないかと言われたぐらいだ。
しかし悠は、その誘いをわざわざ蹴って俺と同じ天成学園に入学した訳だ。
本人にその訳を聞いてみたら「僕の性に合わないんだよ」だって。
まぁ、そのお蔭で俺は天成学園に入って友達に困らなくて良かったけどさ。
「なぁ、頼むよ希!一生のお願い!」
悠はペチンと合掌する。
希はこんな所で一生使うのか?というツッコミを抑えて、溜息をついた。
「……分かった。聞くよ」
「おぉ!本当かありがとう!流石親友!」
「どういたしまして。で、用って?」
希は頬杖を離して椅子にもたれかかった。
「実は……また霊の退治をして欲しいんだよ」
「だと予想はしてたけど、それで?」
「うん、僕が美術部に入ったって事は知ってるよね?」
「そいや、入学式の次の日に入部したんだっけ?」
「そ、で。同じ美術部の先輩に希の事を話したら是非って頼まれたんだよ」
机に少しを身を乗り出してひとさ
し指を掲げる。
「話したのか…。…それで?」
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