第3話:対霊魔部

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1, 7時限目の授業はRで、教壇上ではウチのクラスの担任である氷河先生が関係代名詞の使い方を語っている。 俺は味気ない解説を聞き流しながら、窓の外とノートを交互に眺め過ごしていた。 チョークが黒板に当てられ、かつかつと硬質な音が鳴る。 氷河先生が教科書の例文を書いている。 俺は赤色で書かれた例文を赤ボールペンで書き写して一息ついた。 進学校である天成学園は7時限目あるため、大体この時間になると睡魔に襲われ、机に突っ伏す生徒が現れる。 しかし氷河先生は、『私がやられて嫌な事はしないよ』と寛容ながらあまり注意をしない。 こういう所が生徒からの人気の理由な一つなんだろう。 そういう俺も7時限目は居眠り常習犯なのであるが、今日は違った。 そう。真条彩音について気になっているからだ。 昼休み渡されたメモを氷河先生に見付からないように開いた。 【東棟3階第2相談室】 筆圧が濃い、綺麗な字でそう書いてある。 俺はメモを折り畳んでズボンのポケットにしまってため息を吐いた。 一体何があるっていうんだよ?
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