第3話:対霊魔部

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『次のページ開いて~。重要表現をいくつか説明するよ~………』 氷河先生が教科書を掲げて指示している。 俺も他の生徒と同じように教科書を捲った。 頬杖をついて開いたページを何の気なしに眺めた。 『このページからは比較級に入ります。予告してたから皆予習してきたよね~?』 ………当たらない事を祈ろう。 シャープペンシルをノックして芯を出して、氷河先生が比較級について書いている解説を写す。 黒板を書くのをやめ、再び説明に突入すると、俺もシャープペンシルを手元に置いた。 授業終了まであと5分。 長いような、短いような。 この調子ならあとは板書無しで行くだろう。 手持ちぶさたになったので、教室内を目だけで見回してみる。 高梨さんは真剣に、氷河先生が何かを言うたび頷いている。 未來も悠も高梨さん程とはいかないが、それでもこうしてる俺よりかは幾分真面目に授業を聞いている。 俺は再び手元の白紙のノートに視線を落とした。 聞きたい事は沢山ある。 何で俺を知っているのか、何故昨晩あの場に現われたのか、それと怪我の消失の事。 そしてあの悪霊を浄化させたあの力。 「う~ん」 俺は口の中で唸るように呟いた。 分からない、が。 兎に角、真条彩音に指定された所へ行けば分かるだろう。 ………帰りは遅くなりそうだな。 シャープペンシルを指の間でくるりと回した。 数分後、終業のチャイムが鳴り響いた。 ―――――――――――――――
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