第3話:対霊魔部

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2, 放課後―――――― 日の落ちかけた生徒の居なくなった教室を後にした俺は、東棟の三階第2相談室を目指していた。 まだエアコンが稼動しないこの時季、開けられたままの窓から部活動に励む生徒の掛け声が飛び込んでくる。 今頃未來もやってるんだろうな。 ふと窓の外を見下ろすとグラウンドのトラックを駆ける陸上部が見える。 普通ならこの時間帯の大体は悠と帰路に着いている頃だ。 だが今日は水曜日だからあいつは料理同好会の活動日だった筈、今頃女子達と楽しく料理に励んでいるだろう。 部活に励む生徒の声を聞きながら、第2相談室を目指す。 取り敢えず階段で三階まで上がり、タイル張りの廊下を歩き、東棟に繋がる渡り廊下へ。 ここ天成学園はポピュラーな例を挙げて説明すると、音楽室やら美術室、実験室などの特別教室は全て東棟にある。 西棟はあくまで教室や職員室や校長室、保健室、事務員室、会議室、購買部だけ。 第1相談室なら保健室の隣にあるものを、真条彩音はご丁寧にもわざわざ東棟にある第2相談室を使命してきたのだ。 めんどくさいな、と思いながらも渡り廊下を渡りきり東棟へ。
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