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「僕も実際に見たんだけど、東校舎の美術部の倉庫の辺りを彷徨っている女子高生の霊がいるんだ」
「女子高生の霊ねぇ。その霊がどうしたんだ?
特に害が無いなら放っておいてやればいいじゃないか」
実際霊にも色々な種類がある。
生者に害を為さない浮遊霊。
生者に害を自己的に与える悪霊や邪霊。
ある一定の場所に強く怨念を残してこの世に居続ける地縛霊。
俺的には水霊が一番質が悪い。
何故なら赤ちゃんの霊だから、言葉が通じない為、説得による除霊はまず不可だからだ。
いずれにせよ、Stageが高くないとあまり関係はなさそうなんだけどな。
「まぁ、確かにまだ何かをされた部員が居るって訳じゃないけどさ。
用があっても恐がって誰も行きたがらないんだよ」
悠は両手を上げて、所謂お手上げのポーズを取って溜息をついた。
「つまり、身近で霊とコミュニケーションが取れる俺にその女子高生の霊に説得して来て欲しいと」
「ご名答だよ希君!」
びしっと俺を指差すホームズ=悠。
「……………はぁ。分かった、引き受けるよ」
「おっ!希本当!?」
悠は目を輝かせて立ち上がった。
ここまで頼まれたら致し方ないな。
だけど…………
「その
代わりLチキ二つな」
かくして俺は渋々ながら、数少ない親友の面倒事を引き受けたということだ。
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