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―――――AM 00:10(ー59min)
【西校舎1F 男子トイレ】
放課後、悠と別れてから。
深夜校舎に侵入出来るようにと鍵を開けておいた男子トイレの窓から静かに校舎に入る。
流石に夜とあってか中々の雰囲気を醸し出している。
常人ならここらで怖がりそうであるが、残念ながら俺は普通じゃない。
ポケットに入れていた懐中電灯を取り出してトイレの中を照らした。
「臭っ、ちゃんと掃除したのか?」
片手に懐中電灯、片手で鼻を摘んで忍び足でトイレから出る。
話を戻すと、俺はStage-9の為。
霊なんて四六時中見てるし、浮遊霊の成仏の手伝いや、悪霊などに襲われるのも慣れている。
そんな生活をずっと続けていれば、霊も人もさほど変わりないように思えてくるので、今更。
『うわっ!幽霊だ!』とか『肝試し怖い~』なんてリアクションはしない。
居たら居たで無視。見ないふり。
厄介事はなるべく避けたいんだよ。
「さて、確か……東校舎だったよな」
美術部の倉庫はその二階にあるらしいから、取り敢えずトイレから一番近い階段を上がって二階へ。
悠を曰く、ウチの学校は機械による警備をしているらしく午前0時から15分間はシステムのメンテナンスで動いていないらしい。
東校舎は警備はされず、全てオートロックによる施錠なので東校舎まで行けば見つかる心配は無い。
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