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だったら最初から東校舎から入れば良かったのでは?
と思う方がいるだろうから答えよう。
…って警備の事は今さっき湊からメールが来て分かったからだ。
つまり下手したら俺、捕まってたし。不法侵入で。
「くっそぅ、思い出したら腹が立ってきたぞ………ったく…」
軽く周りを見渡してから早足で廊下を歩く。
ライトで足下を照らしながら歩いてはいるが、窓から射し込む月の光のお蔭で案外明るい。
深夜の校舎を歩くなんて一生に一度あるかないかの体験。
ちょっとぐらいゆっくりしたいものだが、そうはいかない。
少見あと2分ほどで西校舎は警備システムがメンテナンスから復旧するのだ。
希は閑静な廊下を駆け足で進んでいき、渡り廊下へ。
当たり前だが人気無い渡り廊下を渡って東校舎に到着。
これで取り敢えずは警察にお縄の確率は格段に下がったぜ。
美術部の倉庫は2階。
最寄りの階段を使って行く。
その踊り場辺りで、全身に電流が流れて回ったような感覚に襲われる。
……ちょっとだけど怨念も感じるな…。
希はそれを感じ取ると学ランを捲った。
腰には茶色が混じった黒色の革製のホルスターが巻かれ、銀色の銃身をした銃が入っている。
俺の霊装【エア・シャフト】。
「頼むからこいつを使う羽目にはならないでくれよな」
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