10人が本棚に入れています
本棚に追加
『……ぁのっ!?…私っ…好きな人いますから。……えっと……ごめん…なさぃ。』
歩音はそう言うと頭を下げた。
『……マジ…かよっ。………でもチャリ小屋から見てたよな?』
改めて聞いてきた翔に歩音はまた頷いた。
“じゃ~、俺じゃねぇ~って事は誰なんだ?”
自転車小屋から見える範囲で部活をやっているのはもちろんサッカー部を始め、野球部に陸上部、そして少し離れてはいるがテニス部もあった。
“自意識過剰かも知れねぇ~けど、ずっと俺だと思ってた。………くそっ!!たくさんいすぎてわかんねぇ~。”
『誰か聞いていいか?』
翔は恥を忍んで聞く事にした。
“えっ!?そんなの言えないよ。”
歩音は拓兎と翔が親友な位仲良しだと言う事はわかっていたため、もし好きな人が拓兎だと言えば自分のせいで2人の仲が悪くなってしまうかも知れないと思ったのだ。
『……ごめんなさい。』
なので歩音はそう答えるしかなかった。
だが、その言葉で翔が何か感づいたのかこう言ってきた。
『それって俺の知ってるヤツか?』
そう言われたが、
『…ごめん…なさい。』
歩音にはその言葉しか思い付かなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!