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翔は屋上から出て拓兎のいる下駄箱に向かっていた。
“……くそっ!!誰なんだっ!!俺が知ってるヤツ。………ぜってぇ~俺が奪う!!”
『…し……』
拓兎は翔が来たのを見つけ、名前を呼ぼうとしたが翔が怒(いか)っているように見えたため、声をかけるのをやめた。
すると、翔が拓兎に気付き、翔の方から拓兎に声をかけた。
『拓兎、悪かったな。待たせて。』
『あぁ~。』
拓兎はあえて何があったかは聞かず、その一言だけ言うと2人は自転車小屋に向かった。
『………なぁ~、拓兎。……俺、フラれた。自信あったんだけどな。………好きなヤツがいるらしい、しかも俺が知ってるヤツみたいなんだ。』
『そっか。』
『あぁ~。でも諦めるつもりねぇ~から振り向かせてみせるって言ってきた。』
そう言ってきた翔に拓兎は"だろうな"と"翔がそんな事で諦める訳ないな"と思い、軽く微笑んだ。
『でも、どうするつもりなんだ?』
『やっぱ、毎日逢いに行って思いを伝えるしかないだろ?』
『ちょ…ちょっと待て、翔。んな事したらどうなるか―――』
『わかってっけどどっちにしろそうなるだろ?それにそうする以外ねぇ~じゃねぇ~か。』
拓兎の言葉に何が言いたいかわかり、翔は拓兎の言葉に被せて言った。
拓兎が不安がっている事と翔が言う"そうなる"とは翔が歩音と関わる事で翔のファンや翔の事が好きな人達からどんな事をされるかわからないと言う事だった。
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