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今はお昼休みが始まった頃。
“今の所何もない。やっぱり嘘だったのかな?まぁ~、それならそれでいいんだけど。………バカだなぁ~、私。本気にするなんて。”
歩音はそんな事を思いながら昼休みを過ごしていた。
そして放課後になり、歩音は部活に行こうと帰る用意をしていると目の前に誰かが来たのに気付き、誰が来たのか見ようと顔をゆっくりと上げようとした時、名前を呼ばれた。
『姫宮さん。』
歩音は目の前の人を見て驚いた。
そこにいたのは昨日と同様、拓兎だったからだった。
“………ど…して…?”
歩音は手を止めて固まってしまった。
『ちょっと聞きたい事があるんだけど―――』
小さな声でそこまで拓兎は歩音に言うと周りを見渡し、話を続けた。
『―――ここじゃあれだからまた昨日と同じ所に部活終わり次第来てくれる?………あっ!?今日は俺だから。』
拓兎はそう言うとまた返事も聞かずに歩音の教室を後にした。
“………えっ!?……どう言う事!?……今日は俺って!?”
歩音はまた何が起こったのか一瞬わかっていなかったが、とりあえず部活がある音楽室に向かった。
歩音は部活が終わり、"聞きたい事"と"今日は俺だから"が気になり、今日もまた呼び出されたB塔屋上へと向かった。
扉を開けるとやっぱり誰もいなかったが、昨日と同様に同じ場所でしばらく待つ事にした。
すると、しばらくして扉が開く音がしたのだった。
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