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『大丈夫か?』
拓兎にそう言われた歩音だったが、何も耳に届いていなかった。
“どうせフラれるなら―――”
『(ボソボソボソッ)…………』
『えっ!?何!?』
拓兎は歩音が何か言った事はわかったが、内容までは聞き取れなかったため、聞き返した。
『………私の……私の好きな人は……拓兎君です。……拓兎君の事が…ずっと前から好きです。』
歩音はどうせダメになるならこの機会にと思い、思い切って告白をした。
“えっ!?……うそっ…だろ?……マジかよっ!!”
拓兎は歩音の告白にかなりビックリしていた。
しかも、好きなヤツが拓兎だと言う事実に拓兎は驚きを隠せずにいた。
『………わりぃー、俺は………』
『大丈夫…です。……わかってますから。』
『………わりぃー。』
拓兎は小さくそれだけ言うと屋上を足早に出て行った。
『ふぅう…ヒクッ…ふぐっ…ヒクッ』
“告白なんて…するつもりなかった。……ただ…遠くから見ているだけで…よかった…のに。………ホント…バカだ…私。”
『グスッ…ヒクッ…エグッ…ヒクッ』
歩音はそう思いながら涙を流していた。
しばらくして落ち着いたため、屋上を出て帰って行った。
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