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次の日のお昼、拓兎はご飯をすませると歩音がいる教室へと向かった。
歩音の前に着くと、一緒に来てくれるように頼み、2人は教室を後にしてB塔の方に向かい、空いている誰も来ない教室へと入った。
『……昨日は悪かった。その~、焦ったっつうか、俺だとは思わなかったっつうか………』
『私の…方こそ…その…ごめんなさい。』
『いやっ、別にそれはいいんだけど。………悪いけど俺は……なんつうか…付き合えねぇ~から。それだけはハッキリしとかねぇ~と、と思って。』
『いいんです、私は。……付き合いたいとか思う立場じゃないですから。それに……遠くから見ていられるだけで十分なので。』
歩音は付き合えるなら付き合いたいが、見た目がこれじゃあどうにもならない事はわかっていたため、そう言葉を濁して拓兎に伝えた。
『そっか。ならよかった。………っつうのも何か変だけどさ。………ありがとう……も何か変か。』
拓兎はどう言ったらいいかわからず、頭を掻いていた。
『………あの?私なんかが好きでいていいんですか?』
『あぁ。別にそれは構わねぇ~けど。でも、俺が言うのもなんだけどアイツの事、真剣に考えてやってくれねぇ~か?アイツ、……翔は本気(マジ)なんだ。それだけは言いたくてな。』
『………』
歩音は拓兎にそう言われ、下を向いたまま頷く事も否定する事も出来なかった。
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