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次の日、登校する歩音にはとんでもない事がいろいろと待ち受けていた。
それは家を出て学園に向かっている途中から起きたのだ。
歩音が1人で自転車で走っていると後ろから急にぶつかられて自転車から転倒してしまったり、隣に並ばれたかと思うと押されて転倒したりといろいろされていた。
もちろんそう言う事をしてきた人達はわざとにしてきていて、歩音を睨みつけると謝る事はせず、無視をして去っていた。
他にも歩音に近づいて来たかと思うと小声で酷い言葉をかけて罵倒しては去っていったりと酷かった。
それは学園に着くまで何十回も続き、そのせいか歩音は学園に着く頃には身体の至(いた)る所を怪我していた。
“イタイッ。………どうして私がこんな目にっ。……痛いよっ。”
歩音はそう思いながら涙を堪え、保健室へ向かった。
向かっている途中でも足を引っ掛けられて転んだり、罵倒を浴びせられたりされていた。
‘トントン’
歩音はやっと着いた保健室のドアをノックした。
『はい、どうぞ。』
歩音はそう言われ、『失礼します』と言って中に入った。
『どっ…どうしたの?その怪我は。とりあえずそこに座りなさい。』
歩音の余りにも酷い怪我を見て先生は驚いてしまった。
『………ちょっと…来る途中で転んでしまって。』
歩音は本当の事を言えず、そう言って椅子に座ると先生は手当てをし出した。
“"転んだ"……ねぇ~。”
先生は歩音が嘘をついている事はわかっていたが、あえて聞かなかった。
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