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授業が終わり、拓兎は翔の元に向かった。
『翔?』
『………ちょっと行ってくる。』
翔はそう言うと拓兎の返事を聞かずに歩音の教室へと向かった。
『………』
“大丈夫かな~、翔のやつ。”
拓兎は翔の性格を知っているため、ちょっと不安になっていた。
翔は歩音の教室に入り、歩音の前に来た。
『………姫宮さん、話がある。ちょっと付き合ってくんねぇ~?』
『……私は…ありませんから。』
翔は歩音の言葉を聞き、自分のせいで歩音にそう言わせているのだと思い、自分に腹が立ち歩音の腕を掴むと引っ張って教室を後にした。
“イッ…イタイッ。”
翔はそんなに力は入れていなかったが、怪我をしている所を持ち、引っ張られていたので少し痛かったのだった。
しばらくして誰もいない空いている適当な教室に2人は入り、翔は歩音の手を離した。
『……ごめん。痛かったよな?でもこうでもしねぇ~と。』
翔はそう言って歩音の痛々しい姿を見ると黙ってしまった。
『………』
歩音は何も言わず、俯いたままだった。
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