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『なぁ~、拓兎?』
そう部活中に呼びかけたのは学校一イケメンと言われている山下翔(ヤマシタ ショウ)。
『んっ?』
拓兎は親友である翔に呼びかけられ返事をして振り向いた。
『またこっち見てるぜ。』
翔は目線をチラッとだけその方向へ向け、合図を出して言った。
『あぁ~、そうだな。』
拓兎もチラッとだけ見ると目線を翔に戻し、そう言った。
『可愛いよなぁ~。』
『だったら今度は翔から告ればいいじゃん。』
『でもなぁ~。』
翔は拓兎に言われ、ため息をつきながらそう返事をした。
翔はもちろんモテていたため、来るもの拒まずでいろんな女と付き合っていたのだった。
だから自分からは告白などした事がなかったのだ。
『何、迷ってんだよ。ほぼ毎日のようにこっち見てんだ、翔目当てだろ?だったら翔から告ればすぐ落ちるって。』
その会話の中心で遠くの自転車小屋から見ていたのはもちろん歩音で歩音が見ていた事は2人にバレていたのだった。
だが、歩音が見ていたのは拓兎で翔ではない事までは2人はわかっていなかった。
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