4人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は、世界は虚構で満たされているのではないか、と、思う。
人は皆、神様とやらにあらかじめプログラムされていて、その通りにしか動かない。どんな悲劇が起ころうと、それは最初から設定されたこと。人々はそれに逆らうことはできない。それ以前に、気付くことすらない。
人間は生きていない。死んでいない。
生まれていない。いなくもない。
それは事象。
いると思うから、いる。
いないと思えば、いない。
実際、それすら思考できない。
全てはことがら。神様が決めたこと。
そこに僕たちの意思は存在しない。存在しえない。ない。あるにはない。
神様の脳の中に。僕たちはいる。
いや、いる、という発言それ自体が、矛盾している。
浮いている。無機物。思考はない。命もない。ただ、浮いている。何もない場所に、何もないものが、浮いている。いや、浮いていない。沈んでもない。立ってもないし、座ってもない。だけどいる。いや、いない。
なにを言いたいのかわからない。何を思考しているのかわからない。
僕はなに?
「あなたは無い」
そうだ。僕は無い。無いんだ。
「だけどある」
そうかもしれない。
「そもそも神様は本当にいるの?」
いないかもしれない。
「だったら君はなに?」
僕が聞きたい。
「そもそも、言葉では表現できない」
それが僕だ。だけど僕じゃない。
言葉で表現できない、その表現すら、表現できない。
「いなくなりたい」
いなくなりたい。
最初のコメントを投稿しよう!