part1

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 僕は、世界は虚構で満たされているのではないか、と、思う。  人は皆、神様とやらにあらかじめプログラムされていて、その通りにしか動かない。どんな悲劇が起ころうと、それは最初から設定されたこと。人々はそれに逆らうことはできない。それ以前に、気付くことすらない。  人間は生きていない。死んでいない。  生まれていない。いなくもない。  それは事象。  いると思うから、いる。  いないと思えば、いない。  実際、それすら思考できない。  全てはことがら。神様が決めたこと。  そこに僕たちの意思は存在しない。存在しえない。ない。あるにはない。  神様の脳の中に。僕たちはいる。  いや、いる、という発言それ自体が、矛盾している。  浮いている。無機物。思考はない。命もない。ただ、浮いている。何もない場所に、何もないものが、浮いている。いや、浮いていない。沈んでもない。立ってもないし、座ってもない。だけどいる。いや、いない。  なにを言いたいのかわからない。何を思考しているのかわからない。  僕はなに? 「あなたは無い」  そうだ。僕は無い。無いんだ。 「だけどある」  そうかもしれない。 「そもそも神様は本当にいるの?」  いないかもしれない。 「だったら君はなに?」  僕が聞きたい。 「そもそも、言葉では表現できない」  それが僕だ。だけど僕じゃない。 言葉で表現できない、その表現すら、表現できない。 「いなくなりたい」  いなくなりたい。
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