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そして僕は目を開けた。
「…………」
頭に残る残響音。膨大な量の思念。叫び、嘆き、悲しみ。それが全て僕に伸し掛かり、たまらず僕は涙を流す。
夢をみていた。
なんの夢を見ていたのかは、うまく思い出せない。毎日同じ夢を見ているような気もするし、今日初めて見たような気もする。
ただ、良い夢ではなかった。
僕にとっては、だが。
ベッドで身を起こし、時計を確認。
午前六時。少し目覚めるには早すぎるような気もする。そんな気もしないではない。
横たわる。
目を瞑る。
カーテンの向こうから日差しを感じる。
今日もまた一日が始まる。
辛い。
逃げたい。
悲しい。
嫌だ。
目を開ける。
生きたくない(行きたくない)
朝食は食べなかった。どうせ食べても食べなくても、同じことだ。お腹が空いていない。ならなぜ食べる必要がある。無理して食べたくない。疲れる。
半目のまま、自転車に乗る。ゆっくりとしたペースで、自転車をこぐ。身体を酷使したくなかった。うん。僕は時々、人よりも多く重力を受けているんではないかと思う。筋力がないだけかもしれないが。別に構いやしない。肉食系なんてくそくらえ。
三十分くらい時間をかけ、学校につく。高校。ギリギリ。遅刻はしない。する意味がない。してどうなる。注目を浴びたいか。いいや、浴びたくない。ひっそりと暮らしていたい。誰にも関係したくない。
早く学校にくる意味が無かった。僕に友達はいない。いつも一人。昼休みが異様に長く感じるぼっち。
仲よさそうに話をしているクラスメート達を見ていると、どこかに隠れてしまいたいと思う。一人なのは僕だけ。あとの生徒は皆、少なからず話し相手がいる。
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