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数学の時間。
教室は体育の後ともあって、湿気でいっぱい。暑い暑いといい窓を開ける野球部。
時期を見て欲しい。季節は秋だ。僕の指先はカチカチ。あの寒い体育館で僕は一時間ずっとたってたんだぞ。自虐ネタ。
はあ、そんな風に、時間はすぎ、昼食。
当然一緒に食べるような人もおらず、自分の席でパンを食べる。うまくもないし、まずくもない。
何故か他の人たちは、僕の席の近くでは弁当を食べない。嫌われてるのかな、と、ふと思う。そうでなければいいが。
食べ終わり、腕の中に頭を落とす。寝たふり。別に眠くないけど。
「この液体Aにこれを混ぜると……」
科学。
「I remember……」
英語。
「これで授業を終わります」
帰りのホームルーム。
今日も僕、誰とも話さなかったな。思う。
「教室の掃除の邪魔になるので部活の人は早く部室に行ってください。教室では長々話さないように」
僕には関係ない話だ。
帰りの挨拶をし、カバンを持ちそのまま階下へ。玄関を出る。
この学校ではナンバーワンの早さを誇る帰宅。我ながら、なんなんだろうね。
「…………」
無言&俯き&とぼとぼ=ぼっち。悲しいね。
……悲しいね。
「そこのー、……君」
どこの君だろうね。まあ、僕が声をかけられることはまずないから、どこかの君
なんだろうね。
「違うよ、君だ」
ん?
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