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顔をあげる。
「そう、――君だ」
そこにいたのは、少女だった。
年齢は十三~十五。背が小さいのでよくわからない。
髪の毛を腰まで伸ばしていて、白色に脱色している。
この時期だというのに真っ白なワンピース。瞳が青い。外国人。
まあ、総じて言うと変な子供だ。
「なんのようかな」
怖がらせないように、にっこりと笑顔で、紳士に答える僕。対して少女は瞳を開いて、なんというか、生まれたての子猫のような表情。
少女はうんうんと頷くと(目を開いたまま)口を開いた。
「あ」
「……」
次の言葉を待つが、少女は口を開いたまま固まっている。数秒、数十秒、数分。無情にも時は流れていく。
「……あ?」
耐え切れずに僕は聞き返した。
少女はこくこくと首を動かす。
「そう「あ」」
「あ、がどうしたの?」
「さー。一体どうしたんだろうな」
「…………」
しまった。変なのに絡まれた。僕の脳みそが危険信号をチカチカ点滅させる。こんなのに構っていたら明日の分の労力がかれてしまう。必死←
「さー、って、君が言い出したんだよ?」
「なんで言ってしまったんだろうな。なんで? 君」
ええぇ……。僕に聞くの?
「わからないなー……」
「私も、わからないんだ。二人で考えない?」
「…………」
帰りたい。
「うーん。僕、わかんないな……」
「何で「あ」? うーん。迷宮入りー。いや、待てよ……」
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