part1

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 顔をあげる。 「そう、――君だ」  そこにいたのは、少女だった。  年齢は十三~十五。背が小さいのでよくわからない。  髪の毛を腰まで伸ばしていて、白色に脱色している。  この時期だというのに真っ白なワンピース。瞳が青い。外国人。  まあ、総じて言うと変な子供だ。 「なんのようかな」  怖がらせないように、にっこりと笑顔で、紳士に答える僕。対して少女は瞳を開いて、なんというか、生まれたての子猫のような表情。  少女はうんうんと頷くと(目を開いたまま)口を開いた。 「あ」 「……」  次の言葉を待つが、少女は口を開いたまま固まっている。数秒、数十秒、数分。無情にも時は流れていく。 「……あ?」  耐え切れずに僕は聞き返した。  少女はこくこくと首を動かす。 「そう「あ」」 「あ、がどうしたの?」 「さー。一体どうしたんだろうな」 「…………」  しまった。変なのに絡まれた。僕の脳みそが危険信号をチカチカ点滅させる。こんなのに構っていたら明日の分の労力がかれてしまう。必死← 「さー、って、君が言い出したんだよ?」 「なんで言ってしまったんだろうな。なんで? 君」  ええぇ……。僕に聞くの? 「わからないなー……」 「私も、わからないんだ。二人で考えない?」 「…………」  帰りたい。 「うーん。僕、わかんないな……」 「何で「あ」? うーん。迷宮入りー。いや、待てよ……」
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