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「…俺の装備は?」
天井を見つめながら、落ち着いた口調でそう聞けば、青年はバツの悪い顔をした。
「君の装備は加工屋に持っていった。損傷が酷かったのでな…ただ、直すことは出来ないらしいが…」
「ま、ありゃドンドルマでも難しい代物だからな」
補強の素材もねぇしな と言って起き上がり、外へ出ようとする。
青年は、それを呼び止めるように声をかけた。
「そこの箱に簡単な武器と防具を入れておいた、使ってくれ。それと…」
「なんだ?」
「君の装備に、落下の打撲とは違う傷があった。もしかして君はーーー」
青年は言い掛けて、止めた。
振り返ったダークの目が、その続きを制止させる程に強い眼差しだったからだ。
“その先は自分で確かめるから邪魔をするな”
まるで、そう言っているようだった。
「いや、すまん、なんでもない」
「あぁ…じゃあな」
ダークは村を見に、外へ出た。
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