雪山の小さな村

6/7
前へ
/147ページ
次へ
「…俺の装備は?」 天井を見つめながら、落ち着いた口調でそう聞けば、青年はバツの悪い顔をした。 「君の装備は加工屋に持っていった。損傷が酷かったのでな…ただ、直すことは出来ないらしいが…」 「ま、ありゃドンドルマでも難しい代物だからな」 補強の素材もねぇしな と言って起き上がり、外へ出ようとする。 青年は、それを呼び止めるように声をかけた。 「そこの箱に簡単な武器と防具を入れておいた、使ってくれ。それと…」 「なんだ?」 「君の装備に、落下の打撲とは違う傷があった。もしかして君はーーー」 青年は言い掛けて、止めた。 振り返ったダークの目が、その続きを制止させる程に強い眼差しだったからだ。 “その先は自分で確かめるから邪魔をするな” まるで、そう言っているようだった。 「いや、すまん、なんでもない」 「あぁ…じゃあな」 ダークは村を見に、外へ出た。
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加