絶対強者

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夜の狩場は、昼とは違った顔を見せる。 草食獣の居た場所は、すっかり肉食獣に占領されていた。 見た目が猿の、牙獣種ブランゴだ。 「うざってぇ…」 抜刀すると、山頂から微かに声が聞こえた。 身体を、悪寒が走る。 ブランゴ達は一目散に逃げ出してしまった。 「なるほどな」 ダークは恐怖を振り払い、真剣な眼差しで山を駆け上がった。 崖を登り、洞窟をくぐり抜け、凍った足場を上手くバランスを取ってひた走る。 見えたのは、出口。 そこを抜けると、月明かりに照らされた銀世界が広がっていた。 綺麗な場所だ。 一瞬集中を切ったのが仇となった。 背後の気配に気付き、バッと振り向く。 山の上に、怪我の元凶が身を低くしてこちらを伺っている。 「またお前か…!」 そいつは強靭な脚で飛び上がり、前脚を使ってダークを捕まえようと襲いかかった。 紙一重でそれを躱し、抜刀する。 グルルル… 「さぁ、この前の続きをしようか」 野獣が二匹、美しい銀色の中で睨みあった。
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