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先にしかけたのは、モンスターの方だった。
初めて会った時の突進が来る。
その突進を脚の間をすり抜けて躱し、足を斬る。
甲殻を削り、皮を切る。
この程度では、モンスターは止まらない。
「結構かてぇな…」
分析するため、距離を取る。
すると、そいつは腕を振り上げて雪を押した。
それは雪玉となってダークに襲い掛かる。
「なっ…」
直撃したダークはぶっ飛び、派手に転がる。
起き上がろうとしたその時、そいつの頭がすぐ上にあった。
口を大きく開け、捕食の態勢に入る。
「調子に」
ダークは、前に転がり懐に入ることで噛み付かれることを免れた。
「乗ってんじゃ」
片手剣を両手で持ち直し、力を込める。
狙いは、獲物の下顎。
「ねぇよ!」
グギャァァァァ?!
深く突き立てられた刃はそいつの顎を貫通し、大量の血をぶちまけた。
空を裂くような絶叫が雪山に響く。
ダークは剣を引き抜き懐から脱出する。
「チッ…おかんむり、ってか?」
グルル…ガァアァァアア!
鼻息を粗くして咆哮をした。
…が、目の前にダークの姿は無い。
そいつは辺りを見回し、小さく鳴いた。
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