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喧騒が、辺りに広がっている。
仲間内で笑う者は仕事が成功したのだろう。
また、落ち込みながら励まし会う者達は、失敗したのだろう。
酒を酌み交わす者や、依頼の契約をする者、様々な人が居る。
ここは集会所。
ハンターズギルドと呼ばれる、依頼を受注したり食事をとることが出来る場所だ。
その中に一人のハンターが我が物顔で入ってきた。
碧を基調とするその装備に周りのハンター達は一瞬、呼吸すら忘れて立ち尽くした。
古龍と呼ばれる、天災に匹敵する特別な力を持った龍から作られた装備であり、彼が身にまとっているのは炎妃龍“ナナ・テスカトリ”の最上級の素材を使ったエンプレスXシリーズである。
誰も彼もが羨み、妬ましい目線を投げ掛ける。
そんなことは気にも止めず、一流ハンターのダークは空いてる椅子に座り、ギガントミートとリュウノテールを注文した。
その時、目の前に一人の老人が現れた。
「やけに目立つやつが居るなと思えば…お前さんだったか」
「…何か用か?」
頭の帽子を外し、キッと睨めば、老人は肩をすくめた。
「そう邪険にするな。お前さんに頼みがあるんじゃ」
ダークは溜め息をついた。
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