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「お主に依頼が届いてな、引き受けてほしいのだが…」
そういって村長が見せてきたのは一枚の契約書。
内容は、大きな耳の鳥竜の討伐。
「イャンクックか…」
イャンクック。
ピンク色のモンスターで、大きさはモンスターの中では中型といったところだろうか。
飛竜に似た体躯を持ち、大きな耳とくちばしが特徴で液状の炎を吐いてくる。
「流石に知ってるねぇ」
「頭までは衰えてねぇからな」
馬鹿にするなとでも言うようにダークは鼻を鳴らした。
村長はからかうような笑みを浮かべていた。
「ギルド直々の依頼での。場所は密林、見事成功すればお前さんの株も上がるだろうよ」
ダークは、村長の台詞を話半分に、契約をして準備のため自宅へと戻った。
ダークの異様な雰囲気を察してか、村長も深くは追及しなかった。
一通り用意を済ませてポーチを確認すると、ダークは双剣を構えた。
「名声なんざいらねぇ。俺が欲しいのは、狩るか狩られるかの刹那の生…それと」
双剣を振るう。
手に力が入らない。
それでも、無理に握りしめると、左手に激痛が走り剣が落ちる。
「まだか…まだなのかよ!?」
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