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「目ェ閉じて!」
後ろの方で声が聞こえた。
反射的に目を閉じたままでいると、瞼越しに辺りが真っ白に光ったことがわかった。
「閃光玉か…」
「こっち!」
目を開けると、周りのランポスやイャンクックが目を閃光で焼かれ、あらぬ方向をがむしゃらに攻撃していた。
ダークは太刀を拾い、声の主に従って洞窟の中へ入った。
「悪い、助かった」
「いや、困った時はお互い様ってね?」
助けてくれたであろう目の前の女性は、そう言って笑った。
イャンクックの甲殻を使った防具を着て、背中には弓を担いでいた。
どうみてもハンターだ。
「驚いたよ、イャンクックがいるなんてさ!」
「俺はあんたの存在に驚いたが…」
基本的に、一つの狩場には一つのパーティーしか入れない。
ギルドが管理しているのだが、たまに手違いがあってこうなることもある。
「私、ルイン。採集に来たんだけど、途中であのイャンクックにキャンプを壊されてね…」
「ダークだ。ギルドの依頼であのイャンクックを狩りに来た」
挨拶を交わすと、ルインは頭をひねって小さく唸った。
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