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共同戦線を渋々張ったダークは、入ってきたところと反対側に出た。
「ちょ、ちょっと!そっち違う…」
「いいんだよ、必要なもの揃えるためだ」
ルインの抗議を軽くあしらい、ダークは素材を集めるために狩場を移動する。
洞窟を出て、海沿いを走り、木々を通り抜けて池を迂回しベースキャンプへと戻ってくる。
集めていたのは、ツタの葉とクモの巣。
「ネット…?」
ツタの葉にクモの巣を絡め、器用に馴染ませながら編んで、ネットを作りあげた。
「どうするの?」
「こうする」
太刀を掴み、ネットを巻き付けて左手を固定した。
ルインが更に首を傾げた。
「左手、怪我で上手く掴めねぇからな」
「そっか、それでさっき…」
太刀を落としていた場面を思い出してルインは納得した。
武器を落とすとは、よほど悪いのだろうとルインは言葉を失った。
「さて、反撃開始だ」
そんなルインとは裏腹に、ダークは悪者のように口の端を吊り上げて笑みを浮かべた。
日が、沈みかかっている。
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